例会の記録 2025年7月 私の音楽遍歴 Part 2

7月18日(金)、スペーシア会議室にて例会を開催した。出席者は7名。うちリモート1名。この日のテーマは「私の音楽遍歴 Part 2」。6月のPart 1の続きとして、クラシック一辺倒から脱し、映画音楽やジャズを始め、多様な音楽に親しむようになった中学から高校時代の音楽遍歴を紹介した。

中学2年になる春に引越してから、自室でラジオを聴くようになった。また、オープンリールのテープレコーダーを買ってもらい、気に入った音楽を録音して繰り返し聴くようになった。まだカセットレコーダーやラジカセが普及する前の1970年代前半の話。当時、NHK・FMで流れていた音楽は、クラシック以外ではラテン音楽、映画音楽などイージーリスニングと呼ばれた音楽、そしてジャズが多かったように思う。

当時のラテン音楽は、ペレス・プラード楽団(キューバ)、ザビア・クガート楽団(米国)、トリオ・ロス・パンチョス(メキシコ)、ロス・インカス(フォルクローレ)、アルフレッド・ハウゼ楽団(コンチネンタル・タンゴ)などがメジャーどころで、多くは屈託のない底抜けに明るい音楽という印象。これらの中では、哀愁漂うロス・インカスのフォルクローレが特に気に入った。

イージーリスニングは、私の感覚では、ドラムが入った(つまり、リズムが揺れない)クラシックというイメージ。特徴は、映画音楽のヒット曲など耳に優しいメロディの曲を取り上げ、ドラムを入れた軽快なリズム、あるいはムーディーなアレンジで聴かせるところ。中でもポール・モーリアは圧倒的な人気があった。クラシックに親しんでいた私にとっては入りやすかったが、割とすぐに飽きてしまった。

映画音楽は、映画で使われた音楽という意味なので様々なジャンルが含まれる。当時、映画音楽を集めたレコードを買って聴き込んでいた曲は、「ボルサリーノ」のテーマ、「パピヨン」のテーマ、雨に濡れても(「明日に向かって撃て」挿入歌)、エンターテイナー(「スティング」のテーマ)、エンニオ・モリコーネのマカロニ・ウェスタン映画の音楽などなど。

イージーリスニングの中でもピアノは聴き心地が良い。ラジオのピアノ特集をテープレコーダーで録音して繰り返し聴いているうちに、アンドレ・プレヴィンの演奏は他のピアニストとちょっと違うことに気がついた。ドラムのシェリー・マンがリーダーのトリオ、Shelly Mann & His Friendsによるマイ・フェア・レディの音楽。後に、これがジャズという音楽なのだと知った。別の機会に録音していたガーシュインのラプソディ・イン・ブルーの指揮者兼ピアニストが同じ人物であることに気づいた時は驚いた。なるほど、マイ・フェア・レディの放送の際、アナウンサーが「今ではすっかりクラシック畑の人になったアンドレ・プレヴィン」と紹介していた意味がやっとわかった。こうしてジャズに開眼していった。

初めてジャズのレコードを買ったのは中学3年頃だったと思う。オスカー・ピーターソンの”Blues Etude”という輸入盤。当時、ピーターソンはジャズのレコード売り場では一番広い面積を占めていて、国内盤もたくさん出ていたが、このレコードはジャケットがとってもお洒落で1,500円とお値段も手頃だったのだ。家に帰って最初のタイトル曲”Blues Etude”を聴いてびっくり。背筋がゾクゾクして完全に参ってしまった。

それ以降、ビーバップ、ハードバップ、クール、モード、ボサノヴァ、フリー、フュージョン、ジプシーなど様々なスタイルのジャズをレコードを買い求め、聴き比べるようになった。そうした中で参考になったのは、FM愛知のラジオ番組「アスペクト・イン・ジャズ」だった。

「アスペクト・イン・ジャズ」は、1973〜1979年、毎週月曜日の午前0時から30分間、ジャズ評論家・油井正一のパーソナリティで放送されていたラジオ番組で、中高生の頃、毎週欠かさず聴いていた。特に思い出深いのは、「History of Jazz」という特集が組まれ、半年以上の間、ラグタイムやディキシーランドが生まれた1910年代からマイルス・デイヴィスの”Bitches Brew”以降の70年代前半までのジャズの歴史を網羅的に紹介してくれたこと。これは勉強になった。この特集がなければ、ルイ・アームストロングやデューク・エリントンの1920年代の名演や、伝説的なコルネット奏者・ビックス・バイダーベックを知ることはなかったと思う。

というような説明の後、以下のオススメの名盤を紹介した。

2025.12.5 M. Hayashi

1か月前