サワードウを作ってみた!

発酵シリーズの第3弾。サワードウというものを作ることにしました。

Wikipediaで発酵について調べていて、うっかりサワードウのページに入ってしまったのがきっかけ。ところが、学術的な文章なのでわからないことだらけ。まあ自分なりに解釈して、とにかくトライしてみよう。

サワードウとは、すっぱいパン種という意味。Wikiにはこんな風に書かれています。

サワードウ (sourdough)又はサワー種(-だね)は、小麦やライ麦の粉と水を混ぜてつくる生地に、乳酸菌と酵母を主体に複数の微生物を共培養させた伝統的なパン種。パン酵母(イースト)を純粋培養したものと同様にパンの膨張剤に用いる。乳酸菌が発酵の過程で生産する乳酸により、サワードウを使ったパン(サワードウ・ブレッド、サワーブレッド)は特有の強い酸味と風味をもつ。
(中略)
サワードウそのものをつくるには、小麦粉やライ麦粉を水と混ぜ、室温でしばらく放置すればよい。穀物のデンプンと水が接触すると、穀物自体に含まれる酵素のアミラーゼによってデンプンが加水分解され、マルトース(麦芽糖)をはじめとする糖類が生じる。穀物表面や空気中に存在している乳酸菌はマルトースを代謝してグルコースやフルクトースなどを生産し、さらにこれらを栄養源として酵母が生長する。新鮮な穀物粉と水を定期的に補給し、温度などの環境を適切に保持すれば、数日で乳酸菌と酵母が安定に共生したサワードウが出来上がる。

なんと!? 材料は小麦粉又はライ麦粉と水だけでいい?? でも分量がわからない・・・。

材料
・小麦粉(強力粉)
・水

初日
朝、蓋付き容器に適当な量の小麦粉と水を入れて、ざっとかき混ぜ、軽く蓋をして、室温でそのまま放っておきました。ちょうど猛暑の頃で、室温は30度前後です。

2日目
一日経ったらこんな風にぷつぷつが出て来たのはいいのですが、腐敗したようなすっぱい香りがむんむんとして、蓋を開けた途端、奥さんが顔をしかめます。「臭っ!」(面白いので何度も開けたり閉めたりして・・・)これはきっと乳酸発酵が進んだ証拠です。でも確信はありません。単に腐敗しただけなのかも・・・。
ちなみに、どういう臭いかというと、ザワークラウトの発酵が進みすぎたみたいな臭い。というか、「ほとんど腐敗臭なんだけど、もしかしてまだ食べられるかも? 勇気を出して食べてみるか。でもやっぱり捨てちゃおう」というような臭いです。

3日目
新たに小麦粉と水を追加。菌に餌をあげるわけです。ちょっといい感じになってきました。腐ったような臭いはほぼ消えて、酵母のいい香りがしてきました。これはもうサワードウと言っても良いのではないでしょうか?

4日目
いよいよ、できたつもりのサワードウ(?)をもとに、元種を作ることにしました。水とサワードウ(?)、小麦粉をボウルに入れて軽くかき混ぜ、ラップで蓋をしました。・・・こんな適当でいいんでしょうか?

5日目
奥さんにパン作りを言いつけて出勤。夜、帰宅したら「発酵が足りない」と判断したらしく、パン作りには進まず。なんとしたことか! サワードウで作るパンは、普通のパンみたいに膨張しないことを説明して(ホントかよ??)、翌日、次のステップに入ってもらうことにしました。

6日目
やっとできました! ちょっと発酵が進み過ぎたらしく、ところどころパンというよりも「ういろう」みたいな部分もありますが、まあ上出来です。予想したほど酸味がなく、食べやすいです。乳酸発酵が足りないのかもしれません。

とにかく、イーストを添加せず、レーズンに付いた酵母菌を培養するわけでもなく、ただ小麦粉に付着していたり空気中に漂っている乳酸菌と酵母菌(「もやしもん」の主人公には見える!)をキャッチするだけで、パン種を作り、それなりにパンを焼くことができました。古代エジプトでは、こうやってパンを作っていたという話です。

M. Hayashi 2018.08.23

※ アイキャッチ画像の説明
残ったサワードウを放置しておいたら、3層に分離して表層部分が凝固してしまいました。小麦粉と水と乳酸菌と酵母菌とその他諸々の微生物が織りなす不思議な模様。ちょっとフラクタル。

※ 上記の騒動の後、たまたま家の書棚に埋もれていた「The Bread Book A step-by-step guide to making over 130 delicious breads」という本に、なんと、サワードウパンのレシピが掲載されていることを発見! 今度、このレシピをもとにちゃんと作ってみようと思います。ちなみに、この本に載っていたサワードウパンを作る際の「tips(秘訣)」のひとつをご紹介します。

– Flexibility is a key factor in making sourdough breads. The rising times can be variable and unpredictable, and, unfortunately, there are times when a dough fails to thrive for no apparent reason. When this happens, you have to accept defeat. Throw away the dough and start again.

(抄訳)サワードウを作るときは、柔軟さが大切。菌を起こすのにどれだけ時間がかかるかは、なんとも言い難し。よくわからない理由で失敗することもある。そんなときは素直に敗北を受け入れ、もういちど始めること。

6年前