例会の記録 2024年3月 複雑系の諸相

3月の例会は年度末の29日(金)、スペーシア会議室にて開催した。リアル9名、リモート2名の計11名が出席。テーマは「複雑系の諸相」とし、ネット上で見つけた『複雑系早わかり』という資料を用いて、複雑系の基礎的なところを振り返った。(「振り返った」と書いたが、多くのメンバーには耳新しい内容だったかもしれない。)

この資料では、複雑系の諸相を7つに分けて説明している。以下では、7つの項目とその簡潔な説明、それにそれぞれの内容を端的に表すであろう研究者の”名言”を引用する。

  1. 相互作用
    • 複雑系は多数の構成要素から成り立ち、それらはお互いに、また環境とも、さまざまな形で相互作用する。
    • “生物学が研究する全てのものはシステムからなるシステムである。” 〜フランソワ・ジャコブ
  2. 創発
    • 複雑系の全体としての性質は、個々の構成要素の性質とは非常に異なり、しばしば予期しえないものとなる。
    • “「もっと何か」を得るために、もっと何かは必要ない。それが創発ということである。” 〜マレー・ゲルマン
  3. ダイナミクス
    • 複雑系はその状態をダイナミックに変化させ、しばしば予測不可能な長期的振舞いを見せる。
    • “カオス : 現在が未来を決定するにも関わらず、近似的な現在が未来を近似的にけっていできないとき。” 〜エドワード・ローレンツ
  4. 自己組織化
    • 複雑系は自己組織化し、自明でないパターンを設計図のないまま自発的に生み出しうる。
    • “互いに反応し組織間を拡散するモルファゲンと呼ばれる化学物質からなるシステムが、生物の形態形成の主現象を説明するのに適切である。”ということが示唆される。〜アラン・チューリング
  5. 適応
    • 複雑系は適応し進化しうる。
    • “進化の視点なくしては生物学は全てが無意味である。” 〜テオドシウス・ドブジャンスキー
  6. 学際性
    • 複雑性科学は多くの分野における多種多様なシステムを理解し取り扱うのに活用できる。
    • “ともあれ、多様な複雑系に共通する性質を探すのは全くの無駄ではないかもしれない…フィードバックと情報の概念は様々な状況を見通すための基準枠を与えてくれる。” 〜ハーバート・サイモン
  7. 考察方法
    • 数学的・計算的な方法は、複雑系を考察するための強力な道具である。
    • “全てのモデルは間違っているが、そのいくつかは役に立つ。” 〜ジョージ・ボックス

うーむ、意味深な言葉ばかりだが、どこが意味深なのかわからないものもあったりする。20年以上前、研究会を立ち上げた頃はたくさん本を読んで勉強したが、しばらくご無沙汰になっているので、この際、メンバーの皆さんを巻き込んで復習してみようと思う。

2024.6.20 M.Hayashi

※ 写真は、睡蓮鉢に浮かんだ葛の葉。長いあいだ水に浸かっていたので葉っぱが透き通っている。我が家の庭で撮影。

1か月前