5月の例会は、19日(金)夜、スペーシア会議室にて開催した。出席者は6名。リモート出席はなし。
テーマは、「歩く・考える・話す」。今年度の例会テーマを少し深掘りしてみた。
歩くことと考えることは関連が深い。歩くことで五感が刺激され、脳が活性化する。例えば山道を歩くとき、転ばないように、変なものを踏んづけないように気をつけながら、花や木、虫や鳥、石ころや岩、道標、遠くの景色、行き交う登山者などに注意して歩く。そんなとき、過去の体験・記憶をフル動員しているはずだ。
認知症の予防には、人と話をしながら歩くと良い。普段、家族や親しい友人と話をするとき、いちいち何を話そうかなどと考えていない。即興で行き当たりばったりで会話をしている時、頭の中はフル回転している。
健康の定義
WHOが1946年に決めた健康 (health) の定義は、以下のとおり。
“Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.”
これを日本WHO協会は、次のように訳している。
“健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。”
我田引水かもしれないが、ここでいう「肉体的(身体的)」「精神的」「社会的」なウェルビーイングと、「歩く」「考える」「話す」という行為は密接にリンクしていのではないだろうか。
“自転車に乗っているとカタツムリが見えない”
「中学になって自転車通学するようになったら、道端のカタツムリが見えなくなった」というT. Mizunoさんの思い出話には納得した。小学生時代、徒歩で通学していると、目や耳や嗅覚にさまざまな情報が飛び込んでくるが、中学になって自転車通学になると五感で捉えられる情報の密度が減る。ましてやクルマで移動しているとキャッチできる情報は激減してしまうのではないか。
“体を動かしているときの方がいいアイデアを思いつく”
というT. Sakursiさんの話にも納得。じっと机上で考えているときよりも、散歩したり運動しているときの方が良いアイデアを思いつく。体を動かすと五感が刺激されるので、漠然と萌芽状態だったアイデアの種に刺激が与えられ、アイデアとして結実するのかもしれない。
ゴルフ好きのK. Yamashitaさんは、カートを使っても1万2千歩くらいは歩くという。歩行距離は10km。馴染みの友人と話しながらコースを回ると、身体的健康に良いのはもちろん、脳の活性化にも寄与するだろう。
C. Yoshidaさんは、街を歩きながら写真を撮るのが趣味。Mizunoさんは、田舎を歩いていて、たまたま出会うおばちゃんと古くからの知り合いのように親しく話をするのが得意。私は、そこらを散歩しながら季節の草花や鳥や虫やカタツムリを観察するのが好き。
横に並んで歩ける歩道
歩きながら考えるだけなら一人で良い。しかし、歩きながら話すとなると二人以上になる。
クルマ社会、安全に歩けるようにするためには歩道の整備が有効だが、ただ安全に歩けるというだけでは不十分。並んで歩けないような狭い歩道では、夫婦や友人と歩いていても会話しづらい。となると、それなりに幅の広い歩道が必要になってくる。
私が住む地方都市では歩道すらない道がほとんど。交通量の少ない住宅街の道路などを歩くことが多いが、時々クルマが通るし、稀にビューッと走ってくる乱暴なドライバーがいたりするので安心して歩いていられない。
そんなわけで、まちの賑わいづくりもさることながら、健康増進、脳の活性化、認知症予防の観点から、ぜひ会話がしやすい広い歩道の整備や適切な交通規制、さらには自動運転の普及を進めていって欲しいと切に願っている。
2023.6.28 M. Hayashi
※ 写真は、鈴鹿山系の御在所岳の中腹から見た鎌ヶ岳の綺麗な三角形と満開のシロヤシオ。