新型コロナのまん延等防止措置が発令される中、7月26日(月)の夕刻、第一回歴史民俗部会として、歴史好きの有志がいつものスペーシア会議室に集まった。初めての試みだったが、参加者はリアル10名、リモート2名と盛況だった。
この日は、神奈川から帰省を兼ねて参加してくれた古代史研究者、A. Watanabeさんを指南役に、旧家にお生まれのT. Koizumiさんに持参していただいた江戸末期から明治にかけての貴重な資料の実物を見せていただいた。
参加者はみんな興味津々なのだが、A. Watanabeさんを除けばみんな素人。難解な漢文や崩した仮名文字が多くて判読できない。例えばこちらは漢字の辞典らしい。見たことのない漢字が並んでいる。

『紫式部日記』の版本があった。古文書には、「原本」と、それを手書きで写した「写本」、そして版を起こして印刷した「版本」があるようだ。こういうのがすらすら読めるとカッコいいのだが・・・。

続いて、故実叢書『装束織文図絵』より。これは黒紋付だろうか。色が鮮明で美しい。

同じく故実叢書の『服飾図解』より。絵があるとなんだか嬉しい。ちなみに、「故実」(こじつ)とは、「古来の先例に基づいた、朝廷や公家、武家の行事や法令・制度・風俗・習慣・官職・儀式・装束などのこと。また、それらを研究すること」を意味する「有職故実」(ゆうそくこじつ)のうち、「公私の行動の是非に関する説得力のある根拠・規範の類」を指す言葉である。(Wikipedia)



こちらは『中古 京師内外地図』という大判の地図。京都市中のお屋敷や寺社の詳細な情報が書かれていて、ゼンリンの住宅地図にも負けない情報量である。保存状態もすごく良い。



こうした古文書や歴史資料は、博物館や歴史資料館などでガラス越しに見ることはあっても、実際に手にとって見る機会はまずない。貴重な体験だった。
最後に、Watanabeさんより、「日本古典籍総合目録データベース」というものがあることを教えていただいた。古文書などの書名や著者名から典籍を調べるときに大変役に立つそうだ。試しに今回見せていただいた蔵書の書名を検索してみると、詳細な情報が得られることがあった。
2021.9.9 M. Hayashi