例年は忘年会で盛り上がる12月だが、今年は新型コロナの感染拡大で忘年会の開催は叶わず、通常の例会の開催となった。12月18日(金)、いつものスペーシア会議室に7名、ウェブ8名の計15名が出席。テーマは「無形資産の棚卸し」、講師は私、M. Hayashi。
まず、企業の無形資産について。無形資産とは、知的財産、ブランド、顧客リストなど実に多種多様なものが含まれ、企業活動での重要性が日増しに高まっている。にもかかわらず、日本の会計基準では、貸借対照表には買い入れた無形資産やM&Aの際に発生する「のれん」しか計上できない。税制上も固定資産税の対象から除外され、ほぼ融資の担保にもならないため、経営者も銀行も無形資産には無頓着。そんなことで膨大な無形資産を武器に世界経済を翻弄する”GAFA”やTeslaに太刀打ちできるのか? 日本経済は先行き大丈夫か? ・・・ というようなわけで、経営者の皆さん、社内でどんな無形資産が埋もれているのか探索し、一度「棚卸し」をしてみてはいかが。「無形資産棚卸しのススメ」。きっと企業の強みや弱みが見えてくると思いますよ。
次に、個人の無形資産について。ベストセラーになった『ライフシフト -100年時代の人生戦略-』( L. グラットン & A. スコット著、東洋経済新報社)によると、すでに先進国では「人生100年時代」が到来し、年齢とリンクする「教育→就労→リタイア」の「3ステージ」から、1) Explorer、2) Independent Producer、3) Portfolio (Worker) の3つから構成される「マルチステージ」に変化しつつある。これらのステージは年齢とリンクせず、長い人生航路の中で行ったり来たりする。そこでは「生産性資産」「活力資産」「変身資産」の3つの無形資産が大事になってくるが、マルチステージを生き抜くには特に「変身資産」を充実させる必要がある。すなわち、自分のことがわかっていて、多様な人的ネットワークを持ち、新しい経験に心を開いていること。・・・ さて、あなたはどんな無形資産を持っていますか? 個人レベルでも無形資産の「棚卸し」をしてみると良いのではないか。ついでに有形資産もチェックしてね。はい。それではこれを冬休みの宿題とします。皆さん、良いお年を。
2020.12.22 M. Hayashi
※写真は、キャベツに付く青虫を狙うニワトリさん。東浦町にて。