5月22日(金)、Web会議アプリZOOMを使い、リモート例会を開催しました。参加者は大阪からの参加者を含め11名。私のiPadでは9つの分割画面が映ります。PCだと12の画面が映るようですが、スマホの場合は3つとのこと。それにしても、こんな優れものが無料で使えるとは、すごい時代になったものです。
さて、今回は、4月に例会が開催できなかったため、まず簡単に総会を開催。事業計画、予算、新年度の役員を決議しました。
「例会」は、原則として毎月第3金曜日に開催。テーマはとりあえず「カスケード」としますが、毎回、テーマにかかわらずプレゼンテイターを募集。仕事のこと、趣味のこと、最近気になることなどをショートプレゼンしていただく。「合宿」や「ぶらりツアー」は、コロナの状況を見ながら臨機応変に実施していきます。2月に開催した「アート展」は、今年度は見送り、次年度開催に向けて調整していきます。幹事は、M. Suginoさん、T.Sakuraiさん、M. Hayashiさん、T. Mizunoさん、T. Yokoiさん、C. Yoshidaさんの各位。会計はK. Yamashitaさん。
その後、私から「森の歴史と森林資源の活用」と題してショートプレゼンを行い、意見交換しました。以下、要約です。
日本の植生は、元来、北海道や本州の山岳地帯などを除き、常緑広葉樹(陰樹)が優勢。しかし、人が定住し、農業を営むようになり、人口が増えていくと、人里に近い森林(いわゆる「里山」)の雑木林(広葉樹)は薪や炭としてどんどん伐採され、落ち葉も利用される。それが過度になると、もともと常緑広葉樹の森に落葉広葉樹(陽樹)が増えていき、さらに伐採が進むとアカマツなどの松林になっていく。(きっと松茸が採れますね。)
戦中から戦後にかけては、たぶん歴史上で最も乱伐された時代。里山も深山もハゲ山になってしまったところに、スギやヒノキを植林する「拡大造林」政策が大々的に施行され、すっかり針葉樹の人工林に変貌してしまった。高度成長期のこと。それから60年が経過した今、人工林は伐期を迎えた。しかし、70年代に木材輸入が解禁されてから木材価格は下がり、林業は冬の時代が続いたため、里山の人工林の多くは間伐が進まず、孟宗竹が侵入したりして管理不行届な状態になっている。
こうした厳しい状況を、森林資源の価値をカスケード的に見直すことでなんとか打開できないだろうか。つまり、1本の木の価値は、材としての価値だけはない。樹皮や枝葉、幹にからまる蔓植物などにも意外な価値がみつかるかもしれない。もしかしてカミキリムシやセミなどの虫にも・・・。
そうした隠れた森林の価値を見出し、生かしていくためには、伐期を迎えた人工林において強めの間伐や択伐を進め、少しずつ広葉樹と針葉樹が混じった混合林に変えていく。そこで得られた多様な森林資源をできるだけ無駄なく生かしていく。こうした取り組みを、補助金頼みではなく商業ベースで進めていけたらいいなぁ。・・・というような話でした。おしまい。
2020. 6. 8 M. Hayashi
※写真は、Y市で、孟宗竹が侵入してすっかり竹林になってしまった里山を、市民が親しめる森にしていこうというプロジェクトの現場です。