複雑系応用ビジネス研究会(略称「複雑研」)は、2000年8月に名古屋で産声をあげた有志による勉強会です。創設メンバーは、IT系企業の経営者、ご当地企業のビジネスマン、大学の若手研究者、お役人などで、毎月の例会をベースに、ほそぼそと活動を続けてきました。当時の問題意識は次の通りです。
2000年頃、かつてブームを巻き起こしたAI、人工知能の研究は、虫の息に近い状況だったと思います。個々の要素技術の研究・開発はそれなりに進展していたと思われますが、人間とふつうに会話したり、一般常識や感情を備えた「鉄腕アトム」のような人工知能やロボットを目指すなんてムリムリ・・、といったあきらめの空気が漂っていたと思います。
それでは、人工知能に続くものは何だろう? と考えて勉強するうちに、人工生命という新しい分野があることを知りました。 Artificial Lifeです。これは面白いと思い、さっそくこの分野をリードする大学の研究者を訪ね、色々とご教示いただいたのが複雑研発足のきっかけとなりました。
このあたりは、2003年に書かれた下記の「宣言」をご参照ください。
その後、2005年に愛知県で国際博覧会が開催されることになり、ロボットがずいぶん派手に展示され、巷の話題になりましたが、複雑研でも人工生命の技術を応用したロボットを開発できないか、と模索した時期もありました。時は過ぎ、季節は巡り、複雑系を巡る情勢も変化しました。(すっかりブームは去ってしまいましたね。)
創設から17年が経過し、複雑研のメンバーも徐々に入れ替わってきましたが、いまだにほそぼそと毎月1回の「例会」を中心に活動を継続しています。例会のテーマは、その時々のトピック、メンバーが日頃考えていること、複雑系に特に関係なくても構いません。雑多なテーマを取り上げています。
例会のほか、毎年1回の「合宿」や、忘れた頃に開催する「ぶらりツアー」と称するまち歩きなど、活動の幅も広がっています。
現メンバー(常連)は、設計・デザイン、シンクタンク、ご当地有力企業などの現役・元ビジネスマンやフリーランサー、それにちょっと変わったお役人など様々。コアメンバーは20名くらいでしょうか。多士済々の面々ばかりで、このメンバー構成そのものが複雑系だという意見もあります。世代的には30代から60代くらいで、中心は50~60代。ちょっと高齢化してきました。
例会に参加するとわかりますが、一家言どころか「多家言」をもった人が何人もいて、話はすぐ横道にそれて行きます。議論は発散しがちですが、適度に発散し、適度に収束させたりしなかったりするのが進行役の腕の見せ所です。中には、いつもニコニコと聞き役に回っている人もいます。あと、若者や女性が少ないので、なんとか増やしたいと思っています。
例会のあとは、そこらの居酒屋で懇親会というパターンが定着しています。
当然、合宿やぶらりツアーでも宴会はつきものです。
複雑研に関する情報は、このホームページのほか、「ブログ」があります。ぜひご一読ください。
最近では、SNSでメンバーが勝手に発信してくれていたりします。
以上、複雑研のご案内でした。
このホームページを見て興味をもってくださった方は、ぜひ「お問い合わせ」からご一報ください。
2018年1月吉日
複雑系応用ビジネス研究会
幹事 林 正実
—–
複雑系応用ビジネス研究会宣言
社会、経済をはじめ理学、工学に至るまで、さまざまな分野で複雑かつ曖昧模糊とした現象が見られる。それらを“混沌”とよぶこともできるが、何らかの形で「複雑性」に操られた法則を見つけることも出来るはず、そんな視点に立って、一見無関係な現象に潜む相互関係、また再現法則や別の可能性を探っていくと諸々の現象の理解、抱える問題の解決につながるブレークスルーの一手法を見つけだすことが出来るのではないか。
複雑系応用ビジネス研究会に集うわれわれは、そんな想いを胸に、互いに学んでいく仲間でありたい。われわれは20世紀に残してきた数々の「宿題」に答えを見いだし、次の世紀への扉を開ける、“知”の開拓者でありたい、と願う。
研究会に集うメンバーは、濃密で活発な議論を展開し、互いが情報の泉であり、互いを啓発しあい、高めあう存在でありたいと強く願う。
研究会は「倶楽部ライフ」を提供する場でありたい。純粋に“知”を探求する我々は、倶楽部に集まることによって、やすらぎとなごみを手に入れることが出来るだろう。
研究会員は会員相互の啓発や情報交換によって、時にはビジネスシーズの萌芽にも立ち会うことがあるだろう。
われわれは常に自由な思索者であり行動するものでありつづける。
2003年4月23日
複雑系ビジネス研究会
会長 遠藤精一郎